鳥取・因州和紙の里から伝統とこだわりを
For Inshu calligraphy for the Japanese paper
因州和紙は産地によって原料が異なり、佐治町では主に三椏を、 青谷町では楮を原料としています。 因州和紙の書道用紙はきめ細やかで筆運びが滑らかなことで定評があります。 これは、三椏(みつまた)や楮(こうぞ)など伝統的な和紙の原料を 使用しているのに加え、非常に丹念、丁寧に漉いているためです。 原料液を簀桁(すげた)ですくい、揺り動かしながら繊維を絡め、 何度も汲み上げることにより厚さを調整します。
この行程が最も難しく技術と経験がものをいいます。 和紙は生き物です、呼吸しています。同じ両親から生まれた子どもでも、 顔・性格が違うように、書道用紙は自然素材を原料とし漉き手の感を たよりに製造されますので製造ロットにより個性があります。
製造された時期、保管状態、ご使用の時期、また、ご使用の墨、墨の濃さ等により作品の仕上がりが違ってきます。
いろいろな紙との出会いをお楽しみ下さい。紙が出来てから3~4年経過して「枯れる」状態になると特に筆のすべりや、 墨の付きが良く、味わいのある紙になります。最低でも3ヶ月は寝かせていただくことをお薦めします。 一度試してみて下さい。
これは、三椏紙は特にきめが細かく筆運びが滑らかなので「いくら書いても筆が傷まない」という意味と「筆についた墨がかすれることなく長く書ける」という意味を掛け合わせた、しゃれた表現です。主にかな書用に重宝される高品質の書道用紙です。
書道用紙は毛筆で書きやすく墨つきのよい紙が適しています。
原料は、かな書用紙には伝統的な楮(こうぞ)・三椏(みつまた)・雁皮(がんぴ)等を中心にして組み合わせており、漢字用紙はイネ科の稲藁・カヤ・アシや竹などを基本にして組み合わせています。
この他に、木材パルプと故紙パルプを組み合わせて、にじみ、かすれなど発墨性のすぐれた何千種類の紙が作り出されております。
墨で書かれた和紙は色あせず年々墨色は輝き、長期に保存されます。
書道用半紙・画仙紙は、手漉きと機械抄きとに分類されることもあります。